コラム & お知らせ
弁護士 守谷自由がみなさんに
分かりやすく法律解説や
具体的な相談事例、
そして解決事例などをお伝えしています。
離婚を考えたら知っておきたい6つのこと
1 離婚はどれぐらいの割合であるのか?
厚生労働省の「人口動態統計の年間推計によると、平成28年の婚姻件数の推計は62万1000組、離婚件数は21万7000組となっており、単純に考えると、約3組に1組の割合で離婚している計算になります。
また、「同居をやめた時の年齢別の離婚率」を見てみると最も割合が多いのは、男女ともに実は30代なのです。なかでも30~34歳の女性は3万283件で最も多くなっています。
離婚問題は他人事ではなく、社会問題でもあり、突然あなたにも(私にも)関わってくるとても身近な問題でもあるのです。
2 離婚の理由で多いのは?
司法統計の離婚動機別割合をみると、一番多い離婚理由は、「性格があわない」(性格の不一致)となっており、次に異性関係(不倫など)、暴力行為・DVが続きます。
幸せになろうとお互い誓い合い結婚したものの、それまで会いたい時に会ってきた恋人のときとは異なり、一緒に生活すると、それまで見えていなかった相手の性格、生活習慣を知り、その相手との関係にすれ違いができてしまうのは、ままあることなのかもしれません。
3 離婚は体力と気力を使う・・・
離婚は、結婚よりも体力、気力を使うといいます。弁護士として相談をいただいた経験からも、円満な離婚というのはあまり聞きません。悩みに悩まれて相談に来る方、疲労困憊の状態でご相談に来られる方は多くいらっしゃいます。
離婚を望まれる状況になりますと、離婚理由が何であれ、大抵の方は夫婦の生活がうまくいっていないことが多いです。
生活がうまくいっていない方と過ごす生活は体力・気力を消費するのはある意味当たり前のことかもしれません。
4 子どもがいる場合、子どもについても影響する
子どもがいらっしゃるご夫婦が離婚する場合には、子どもにかかわる問題(親権をどちらが持つか)を解決せずに離婚することはできません。
親権どちらが持つことになったとしても、子どもが親権を持っていない親と会うことが制限されることは子どもにとってもあまりよいことではないと思います。
子どもが父親、母親に会いたいときに会える、離婚後も生活の水準が変わらないようにするためには、親権、面会交流、養育費についてしっかりと話し合う必要があります。
夫婦で話し合うだけでは、解決できない問題も、専門家である弁護士が間に入って話し合うことでスムーズに解決することがあります。
5 離婚の方法はどんなのがあるの?
(1)協議離婚
双方の話し合いができ、離婚の合意があれば、離婚届をだせば離婚は成立します。夫婦双方が離婚を望んでいるのであれば子どもの親権や財産分与を除けば、離婚すること自体は難しいことではありません。
しかし、話し合いができないなど、どちらか一方が離婚を望んでいない場合は簡単にはいきません。
(2)調停離婚
話し合いをしても、離婚の合意が得られない場合、家庭裁判所における「調停」という手続きがあります。
「調停」とは家庭裁判所で「調停委員」(大抵は男女のペアで構成される)を介しての話し合いの手続きをいいます。調停では、離婚するか否か、離婚をするとすればその条件について話し合い、話し合いがまとまれば調停成立となり、離婚ができます。
(3)裁判離婚
調停でもまとまらない場合に、それでも離婚を望む場合は、裁判を起こす必要があります。なお、離婚の場合は調停を飛ばしていきなり、裁判をすることはできません。
離婚の裁判において、離婚するには「離婚の理由」を必要とします。法律上、裁判例上認められているのは主な理由は以下のとおりです。
①不倫行為があった
②暴力行為があった
③生活費を渡さない
④別居が長期間に及ぶ
注意しなければならないのは、以上の①~④の離婚理由のなかには「性格の不一致」は含まれていないということです。
単純に気が合わないという理由だけでは、法律上も裁判例上も離婚が認められていないのです。しかし、上でもみたように実際には離婚理由のなかで圧倒的に多いのは、「性格の不一致」です。
では、有責原因がない場合に、夫婦の一方がどうしても離婚を望んでいる場合でも離婚はできないのでしょうか。
このような場合でも離婚ができるのが、④別居が長期間に及ぶ場合です。
私は離婚の相談を受けた場合は、まず別居をしてもらうことをお勧めいたします。
別居をしてから、交渉、調停と手続きをしていけば、離婚調停が成立しない場合でも、別居が長期間に及ぶことで離婚理由になるからです。
私が相談を受けた事例でも、妻と一緒に生活するのが辛く、離婚したいという方からの相談で、10代の子どもがおり、どちらにも不倫行為・暴力行為もない事案でした。
依頼者にはまず、別居をしてもらい、その上で、離婚調停を申し立てました。
離婚調停で話し合った結果、妻側もこれ以上一緒に生活するのは難しいと考え、相当額の財産分与と養育費の支払いということで離婚の合意が成立しました。
依頼者には慰謝料を発生させる有責な原因がありませんでしたので、慰謝料は支払いませんでした。
弁護士が入ることで、スムーズに調停が進行し、支払いについても相当額の提案をすることができました。
6 離婚には気軽に相談でき、サポートする専門家が必要!
確かに、離婚をするには、体力・気力を使い、多くの方が疲弊します。
でもだからといって、気の合わない人との生活に耐え忍ぶにはもう限界という方々も大勢いらっしゃいます。
相談していただくことで、相談者の悩みの解消や離婚手続の手助けをさせていただきたいと思っています。
病気にかかったらクリニックに受診するように、結婚式をサポートするウェディングプランナーがいるように、離婚をする際にはサポートする弁護士にご相談ください。
自由西宮法律事務所は、あなたの心と穏やかな生活を取り戻せるように、一緒に考え、そしてご提案し、問題解決に向けて全力でサポートさせていただきます。