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2017.10.27 借金・債務整理

借金・債務整理について知っておきたい3つのこと

1 時効

 

私が相談を受けた事例で、数年前に借り、その後督促の通知もなかったので、すっかり忘れていた貸金業者から「借金を返せ」という通知が届き、さらに返済をしていなかったためか遅延損害金がかなり多くなっているという相談がありました。

 

まず、私は、相談者がいつ借り、いつ返済を終了したかを知らせるように貸金業者に通知いたしました。

 

その結果、最終返済日より5年以上経過しており、消滅時効が完成していたことから、貸金業者に時効の援用(主張)の通知を行いました。相談者は、時効を援用(主張)することによって債務を免れる、借金がなくなりました。

 

これは、消滅時効といい、権利は一定期間使わないと使えなくなるのです。

 

個人に対して消滅時効が完成する機関は10年となっていますが、会社の場合は5年となっています。

 

ただし、時効期間内に「時効の中断事由」がある場合には、それまで経過した時効期間がすべて効力を失ってしまい、時効を主張できなくなります。

時効の中断事由には、裁判上の請求、債務の承認などがあります。

中断事由があった場合には、再び時効期間を経過しないと時効は完成しません。

借金の一部でも弁済してしまうと「承認」となり、時効の中断事由になります。ご自身の借金が時効にかかっているかわからない場合には、債権者に支払いについて相談する前に弁護士にご相談ください。

 

 

2 自己破産とは

 

自己破産は、財産を失うかわりに債務をゼロにする手続きです。ただし、生活に必要な家財道具やいくらかの現金などは手元に残すことができます。

 

自己破産のデメリットとしては、

・今後の借入ができなくなることがあります。

 

自己破産をすると、信用情報機関にその情報が登録され、一定期間は借入やクレジットの利用ができなくなります。

・保証人に請求がきます。

 

保証人がいる場合は、保証人が債権者から請求を受けることになります。

・一定の職や資格の制限を受けます。

 

自己破産を申し立てると破産手続開始から免責を得られるまでの期間(普通は数カ月間)は、一定の職に就くことができなくなります。制限を受ける職や資格は、例えば、生命保険募集人、警備員、会社役員などです。

 

財産としては、自動車や生命保険の解約返戻金などが問題になります。ただし、自動車は普通車で7年、軽自動車で5年経過している場合は、高級な外国車でなければ価値なしとして、自己破産をしても残すことができます。また、生命保険の解約返戻金も20万円以下のばあいはのこせることがあります。どのような場合に財産を残せるか判断に悩まれる場合は弁護士にご相談ください。

 

 

3 自己破産と免責

 

自己破産をすると必ず債務は免除されるというわけではありません。

 

債務を免除されることを「免責」といいますが、法は免責が許可される要件をさだめており、次のようなことがあると、免責されないことがあります。

・借金をした理由が浪費やギャンブルにある場合
・返済できる見込みがないのにさらに借金を繰り返し、一部の債権者、たとえば身内や友人などにだけ返済して有利に取り扱うこと
・破産の際に財産を隠したりすること

 

ただし、以上のことをしたとしても、事情によっては、裁判所は裁量で免責されることがあります。ご自身が免責されるかどうか判断に悩まれる場合は、弁護士にご相談ください。

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